食欲不振でお困りではありませんか？
食欲は、脳の視床下部にある摂食中枢、満腹中枢という場所でコントロールしています。また、胃腸だけでなく肺や肝臓、心臓など様々な臓器の働きが食欲に影響を与えていることで知られています。
単に食欲がないと言っても考えられる原因は複数あり、体重の急激な減少や吐き気、下痢などを伴う場合は、なるべく早めに医師に相談することをお勧めします。
このようなことでお困りではありませんか？
以下のような症状が長く続く場合、重大な病気が隠れている恐れもあるため注意してください。
- 2～3週間以上、食欲がわかない
- 長期間、食欲不振が続いていて体重が減ってきた
- 食事することを面倒くさく感じる
- 食事を摂るのを忘れることがある
- 「あっさりしたものばかり食べる」など、食事が偏っている
- 胃痛や腹痛などの症状が原因で、食欲がわかない
など
食欲不振の原因
食欲不振を起こす原因として、以下のようなものが挙げられますので注意してください。
消化器などの臓器の疾患
がん（胃がん、大腸がんなど）、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染による慢性胃炎など、消化器系の病気の症状として食欲不振が現れることがあります。特に、60歳以上の方で体重減少を伴う食欲不振が起こっている場合、がんに罹患している恐れがあるため、ご家族の方も含め症状に注意してください。
甲状腺機能低下症
甲状腺は、人間が生命活動を維持するために必要な甲状腺ホルモンと言うホルモンを分泌している臓器です。そして、甲状腺機能低下症とは、血中の甲状腺ホルモン作用が低下した状態のことを言います。主な症状としては、食欲不振、疲労感、むくみ、便秘、記憶力低下などが挙げられます。軽度の場合は自覚症状が出ないこともありますが、重症化すると意識障害など危険な状態に陥ることもあるため、注意が必要です。
ストレス
仕事や学業などで過度のストレスを感じ、うつ病の状態になると、脳の視床下部のコントロールが乱れてしまい食欲の低下につながります。また重症の場合は、食事の味がしないなど味覚異常が現れることもあります。
生活習慣の乱れ
運動不足や十分な睡眠が取れない状態が続くと、自律神経が乱れ食欲不振につながることがあります。当院では、必要に応じて生活習慣の改善に向けたサポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
食欲不振を起こす病気
病気が原因で食欲不振が起こっていることもあります。以下のような病気の症状として現れる場合があるため、注意が必要です。
胃がん
胃がんは自覚症状が少ない病気として知られていますが、初期症状の一つに食欲不振があると言われています。特に、60代以上の方で体重減少を伴う食欲不振がある場合は、ご家族の方も含めて症状に注意するようにしてください。
慢性胃炎（萎縮性胃炎）
ピロリ菌の感染による慢性胃炎では、胃の粘膜がダメージを受け胃に炎症が起こります。症状として、食欲不振、吐き気、胃もたれなどが現れると言われています。ピロリ菌は投薬治療によって高い確率で除菌に成功するため、早めに医師に相談することをお勧めします。
胃・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の中の粘膜がただれて、壁に傷がついた状態のことを言います。発症原因としては、ストレス、ピロリ菌への感染、解熱鎮痛剤の副作用などが知られています。食欲不振、 みぞおちから腹部にかけての痛み、重症化すると出血や穿孔などの症状が現れる場合もあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下する病気で、発見者の名前を取って橋本病とも呼ばれており、成人の10人に1人がこの病気を発症していると言われています。発症原因としては、甲状腺の手術の後におこる場合、特定の薬の副作用などが挙げられます。特に、ヨウ素が大量に含まれるうがい液などを使うことで、甲状腺の機能が低下する場合もあるため注意が必要です。
問診時にお伺いすること
食欲不振の原因は様々考えられるため、患者さん一人一人の症状を伺い、慎重に原因を見極めていきます。具体的には、食事量の変化、いつ頃から起こっているのか、その他の症状の有無など、専門医が丁寧にヒアリングさせていただきます。また、食欲不振は生活習慣の乱れや心の状態が原因となっていることもあるため、食生活や運動習慣、ストレスチェックなども行っていきます。
食欲不振の検査方法
問診の結果、検査が必要な場合は、血液検査、胃カメラ検査、超音波検査などを行っていきます。検査によって重大な病気にかかっている恐れがあるとわかった場合は、高度医療機関とも連携を行い、適切な治療方針をご案内させていただきますのでご安心ください。
食欲不振の治療方法
原因によって治療方法は異なりますが、生活習慣の改善指導、投薬治療などをご案内しております。また、食欲不振によって重度の栄養失調や脱水症状を引き起こしている場合は、点滴治療を行って命の安全を確保することを最優先に治療にあたっていきます。
