風邪
風邪の正式名称は「風邪症候群」と言い、喉や鼻などの上気道が微生物に感染することで起こります。また原因となる微生物のうち約90%をウイルス(ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスなど)が占めていると言われています。咳、くしゃみ、鼻水といった症状は、呼吸器が体内への微生物の侵入を防ごうとして起こる症状です。
人は1年間に3~6回風邪を引くと言われており、症状は長くても1週間程度で収まるものです。しかし、風邪を引いている間に別の細菌に2次感染してしまうと、中耳炎や肺炎、脳症などの合併症につながってしまうこともあります。特に、抵抗力が低いお子さまや高齢者の場合は注意が必要です。
喘息とは
喘息とは、気管の慢性的な炎症によって、咳、息苦しさ、胸の苦しさなどの症状が現れる病気のことで、正式名称は気管支喘息と言います。平成28年に厚生労働省が行った調査によると、日本国内の患者さんの数はおよそ800万人いると言われており、その数は年々増え続けています。喘息の症状は突然現れることが多く、時間帯としては夜から明け方にかけて、また、季節の変わり目に症状が出やすい傾向にあります。
喘息は大きく分けてアトピー型(ダニやペットの毛などのアレルギーが原因となって起こる)と非アトピー型(タバコの受動喫煙、大気汚染、ストレスなどが原因となって起こる)の2種類に分けられます。なお、アトピー型の喘息は幼児期に多く、非アトピー型の喘息はどちらかというと大人に多いと言われています。忙しい患者さんに多いですが、市販の薬で何とかしようとすると悪化してしまい治療が難しい状態となってしまう危険性もあるため、注意が必要です。
予防接種とは
ウイルスや細菌の感染を防ぐために、ワクチンを接種することを予防接種と言います。ちなみに、ワクチンとは、病原体による感染を防いだり、感染しても症状を軽くしたりする薬のことです。予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2つの種類があります。定期接種は、麻疹やB型肝炎、結核などの感染予防を目的としたもので、国や地方自治体からの補助でほとんどの場合は無料で接種できます。一方で、任意接種は、インフルエンザやおたふく風邪の予防を目的としたもので、自費で接種を受けることが多いです(一部のものは無料で受けられる場合もあります)。
当院では、定期接種と任意接種のいずれも実施が可能です。
また、インフルエンザの予防接種は接種してから効果が出るまで2〜3週間かかると言われています。したがって、毎年のインフルエンザが流行り始める前に、なるべく早く接種を済ませておいたほうが良いでしょう。