下剤について
突然ですが、大腸カメラ検査と聞くと「下剤の味がまずい」「午前中に3時間以上も液体を飲み続けたくない」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
そういったお悩みのお持ちの方は、一昔前の大腸カメラ検査を受けた方が多いかもしれません。最近は、大腸カメラ検査も受けやすくなっております。
例えば、下剤の種類が豊富になりました。今まで主流は「ニフレック」という海水のような味がする下剤でしたが、最近では「モビプレップ」や「マグコロールP」という比較的飲みやすい下剤が主流になったり、「ビジクリア」という錠剤を50錠飲んで腸内を洗浄する下剤が誕生したりしております。
世田谷等々力駅前内科・内視鏡クリニックでは、さらに最先端の「口から下剤を飲まない大腸カメラ検査」を取り入れております。
口から下剤を飲まない大腸カメラ検査とは
当院で、取り入れているのは「内視鏡的洗浄液注入法」というものです。
簡単に説明をすると、胃カメラで胃の奥にある十二指腸に直接下剤を注入するというやり方です。
はじめに、鎮静剤を軽く用いてうとうとした状態になってもらい、胃カメラで下剤(腸管洗浄剤)を十二指腸に注入します。沈静中、うとうとしている間に注入しますので、不快感はありません。その後、排便が済んだら大腸カメラ検査を行います。
通常の下剤を口から飲む検査法に比べて排便回数やきれいになるまでの時間も短縮される傾向があり楽な検査になっています。
胃カメラ検査を行ったあとに下剤を注入することも可能ですので、ご興味がありましたらご相談ください。
口から下剤を飲まない大腸カメラ検査のメリット
下剤の味を感じずに大腸カメラ検査ができます
下剤を口から飲むことがないため、「まずい」と言われている下剤の味を感じることがありません。
下剤による前処置が完了するまでの時間が大幅に減る
下剤が直接十二指腸に送り込まれるため、排便に要する時間は減ります。
通常は2〜4時間かかるといわれている前処置が1〜2時間程度まで減らすことができ、内視鏡検査にかかる時間を大きく減らすことができます。
時間的にも患者様の負担を減らすことができる検査方法です。
胃カメラ検査のついでに大腸カメラ検査を受けられる
胃カメラ検査を受けた際、同時に大腸カメラを手軽に受けることができ、一日で胃と大腸の検査をすることができます。
両方の検査を合わせても半日程度です。
口から下剤を飲まない大腸カメラ検査の注意点
通常、3時間程度かけてゆっくり流し込んでいく下剤を胃カメラを使用して急速に内服するため、腸管内圧が突然上昇し腸管破裂をきたす場合が有ります。
したがって、口から下剤を飲まない大腸カメラ検査を使用する際は事前に医師が診察させていただき、腸管破裂の危険性がある方にはご遠慮いただいておりますのでご了承ください。
- 同時内視鏡検査をご希望の場合、症状によっては保険診療で対応できない場合がございます。ご了承ください。
- 70歳以上の方は原則、下剤を飲まない大腸カメラ検査をご遠慮いただいております。ご了承ください。
- 診察時に腸管破裂の危険性が高いと判断した患者様に関しては口から下剤を飲まない大腸カメラ検査をご遠慮いただく場合がございます。ご了承ください。
口から下剤を飲まない大腸カメラ検査の手順
STEP1(検査前日)
前日は夜9時以降食事をとらないでください。前日は残りやすいキノコ類、こんにゃく、野菜などの摂取をできるだけ控えます。
STEP2
午前中にご来院いただき、受付を済ませたら検査着にお着替えしていただきます。鎮静剤を使用して胃カメラ検査を受けていただきます。
STEP3
胃カメラを通じて下剤(腸管洗浄剤)を注入します。
STEP4
注入から30分〜1時間で排便がはじまりますが、1〜2時間程度で透明な便になります。便が透明になったら大腸カメラ検査を行います。
STEP5
リカバリールームで少しお休みいただいてから、検査結果の説明があり、ご帰宅となります。
下剤の味が嫌で大腸カメラ検査を躊躇っている皆様へ
世田谷等々力駅前内科・内視鏡クリニックでは、大腸癌の早期発見、予防のため内視鏡検査を定期的に受けていただけるように、検査の負担を軽減する下剤を飲まない大腸カメラ検査を積極的に推進しております。
下剤をのむのが苦手な人は当院までご相談ください。